top of page
原町赤十字病院内
検索
「二十六人の男と一人の女」ゴーリキー 中村唯史訳
表題作を含め4編の短篇集である。ロシア革命前のロシアの人民の生活が描かれている。それぞれの国にはそれぞれの歴史があることを強く実感する。人間の営みは実に儚く、悲しいものである。
内田 信之
2024年4月7日読了時間: 1分
「死刑囚最後の日」ユゴー 小倉孝誠訳
ユゴーは死刑制度に強く反対していたようである。この作品は27歳の時に書かれたものであるが、その年齢でこれだけのものが書いたとは驚きである。
内田 信之
2024年3月31日読了時間: 1分
「すべては消えゆく」マンディアルグ 中条省平訳
マンディアルグという作家を知らなかったが、三島由紀夫の戯曲「サド侯爵夫人」をフランス語訳しているという。確かに三島の美意識の一つの表現である「サド侯爵夫人」につながる部分を感じる。私の関心の強いところではないが、西洋文化の影の部分の伝統なのだろう。
内田 信之
2024年3月24日読了時間: 1分
「正義の人びと」アルベルト・カミュ 中村まり子訳
ロシア革命前の1905年に起きた「セルゲイ大公暗殺事件」に想を得て、カミュが描いた戯曲である。たまたま並行していた本も、正義について書かれていた。その場に居合わせない人間からすると、正義は常に相対的なものということがよくわかる。いつの日か演劇というものを鑑賞したいものである。
内田 信之
2024年3月20日読了時間: 1分
「ドストエフスキーと父親殺し/不気味なもの」ジークムント・フロイト 中山元訳
フロイトの精神分析というものは、腑に落ちないところが多々ある。しっかり理解できていないことがその最大の理由なのだろうが、どうもあまり馴染めない。しばらく読むこともないかもしれない。
内田 信之
2024年3月14日読了時間: 1分
「追憶に生きる 建礼門院右京大夫」松本寧至
建礼門院右京大夫という女性が日本文学の歴史に与えた影響が、この女性を知れば知るほど大きいものだったということがよく理解できる。この女性の作品は、これからも時々読み返すことになるのだろう。
内田 信之
2024年3月9日読了時間: 1分
「小林秀雄の謎を解く」苅部直
私より3年年下の法学部の教授が執筆したものである。法学部の教授が小林秀雄について言及することについては少々驚いている。「歴史の穴」「隠された流れ」「音楽」についての小林の考えを、なんとなくではあるが理解できるような気もする。
内田 信之
2024年3月2日読了時間: 1分
「死生観を問う」島薗進
死生学という学問は医療に従事するものにとって重要であろう。しかしこれを学問として勉強するよりも、様々な本、特に古典を読むことの方がより大事であると思う。もう少し人生を経験してから、自分なりの死生学、死生観を築き上げることができれば、それが本望である。
内田 信之
2024年2月25日読了時間: 1分
「死者の奢り・飼育」大江健三郎
学生の頃に大江の本を手に取ったことがあったが、当時の自分にはそれを咀嚼するほどの力も経験を持ち合わせてはいなかった。ずっと大江を一度はしっかり読もうと思っていたため、図書館で借りるのではなく文真堂で購入して熟読した。その時代の風潮が、気持ち悪いほど身に染みる。
内田 信之
2024年2月17日読了時間: 1分
「カンディード」ヴォルテール 斉藤悦則訳
コントを読んでいるような気分になるが、当時の社会に与えた影響は大きかったのだろう。ヴォルテールは18世紀に活躍したフランス人である。ジャン・ジャック・ルソーとほぼ同時代に生きており、この作品に対するルソーの意見も解説の中に記載されており、とても興味深い。
内田 信之
2024年2月12日読了時間: 1分
「死霊の恋/化身」 テオフィル・ゴーティエ 永井千奈訳
ゴーティエは19世紀のフランスの作家である。たとえ灰に帰したとしても、一度だけ(一夜だけ)でも実現した絶対美の記憶は永遠に残る。言葉としても残る。対極にあるものも一瞬だけは融合する。 今の年齢だから得られる読後感なのだろう。 胡蝶の夢
内田 信之
2024年2月10日読了時間: 1分
内藤麻生「人間ぎらい」モリエール 内藤濯訳
今呼んでもモリエールは1600年代の人物である。この本を読むと、その当時と現代と、何一つ変わっていないと実感するところである。訳も1960年であるが、全く違和感なく読むことができる。
内田 信之
2024年1月27日読了時間: 1分
「私説ドナルド・キーン」角地幸男
ドナルド・キーンの業績はあまりに膨大であり、私が述べるまでもない。日本語の魅力を丁寧にわかりやすく伝えてくださることに、ただただ感謝するばかりである。
内田 信之
2024年1月23日読了時間: 1分
「臨終の雪 藤原俊成の生涯」東野利夫
40歳を超え美福門院加賀との恋愛を経て、定家が生まれ、その後ますます和歌に対する情熱を燃やし続け、91歳という長寿を全うしたということは、実に驚きである。
内田 信之
2024年1月21日読了時間: 1分
「赤い橋の殺人」シャルル・バルバラ 亀谷乃理訳
図書館でたまたま目に入ったので、全く知らない作家であるが借りてみた。訳者も解説の中で触れているが、「罪と罰」や「カラマーゾフの兄弟」を彷彿させる内容である。ただしバルバラのこの作品の方が早く発表はされているようだ。日本ではあまり馴染みのない作家であるが、もし図書館に他の本が...
内田 信之
2024年1月19日読了時間: 1分
「日本の思想を読む」末木文美士
日本の思想史についての素人向け入門書である。多くの人物についてごく簡単に記載があるだけだが、私のような無教養な人間にはちょうど良い。鎌倉仏教に対する考えは興味深かった。無住や丸山真男についてはいずれ読んでみたいと思う。
内田 信之
2024年1月19日読了時間: 1分
「アウシュヴィッツで君を想う」エディ・デ・ウィンド 塩﨑香織訳
アウシュヴィッツ強制収容所に妻とともに収容され、生還した医師の日記である。実際に現場でいた人の話であり、とても重いものだと思う。人間の不幸の歴史にも目を背けずに、事実を知ろうとする努力を、私たちは怠りなくすべきであろう。
内田 信之
2024年1月8日読了時間: 1分
「身もこがれつつ 小倉の百人一首」周防柳
この作家については、「蘇我の娘の古事記」を読んで以来愛読している。藤原定家、家隆、後鳥羽院に纏わる話である。作家によるかなりの創作があるのだろうが、とても興味深く読むことができた。確かに今でも百人一首は私たちの前に存在している。
内田 信之
2024年1月3日読了時間: 1分
「ゾラ傑作短編集」エミール・ゾラ 國分俊宏訳
学生時代にゾラの居酒屋を読んだ。詳細は覚えていないが、パリの裏の世界を描かれていたたことだけはしっかり記憶している。それはどの世界でも同じだということを今は強く同意するところである。この短編集はそれなりに完結していて面白い。改めて長編を読み返したいと思う。
内田 信之
2023年12月31日読了時間: 1分
「現代の超克」中島岳志 若松英輔
以前も読んだことのある本であったが再度読んでみた。この二人は私よりも若いのだが、どちらも私には魅力的であり、そのコメントは大変参考になる。小説を読むのは好きだが、哲学的な内容の話も時々読み返すことで、その時の自分自身の考え方の整理になる ような気がする。
内田 信之
2023年12月30日読了時間: 1分
bottom of page